今期前半で注目を浴びたのは奇しくも共通点の多くなってしまった二人の選手でした。
一人は中国からやってきた期待の大物新人、ヤオ・ミン。開幕当初こそぱっとしなかったものの、すぐにNBA慣れし、見事な活躍。それに加えて中国の人気もあり、ルーキーながらオールスターにファン投票で出場する。中国人選手は三人目ですが、その人なつっこさが魅力的なのか、NBAやマックのCMにも出る人気ぶりでした。でも、シーズン後半はマークもきつく、チーム内での役どころの問題などもあって、チーム的には伸び悩み、期待されたプレイオフ進出も逃してしまいました。
もう一方の注目選手はマイケル・ジョーダン。今年で引退することを早々と表明し、チームをどこまで変えられるかに注目が集まりました。そんな中、オールスターにはビンス・カーターの辞退という形で出場し、観客を大いに沸かしました。けれども、こちらもプレイオフ進出はかなわず。いかにジョーダンがスーパープレイヤーであっても、バスケットは一人では出来ないという証明をしてみせただけで終わってしまった。
そういう意味では、一人のスーパープレイヤーでは勝てない例はいくつもある。ケビン・ガーネット、アレン・アイバーソン、トレイシー・マグレディ、彼らが勝利を手にする日はいつ、そしてどんなチームメイトを得てのことになるのでしょうか。
さて、シーズン後半の注目は何といっても王者レイカーズの復活劇でした。シャックを欠きながらの開幕で負け続け、シャックが戻ってもなかなか調子を上げられず、一時はディビジョン最下位までも転落。
しかし、オールスター明けは火がついたかのように好調。強いレイカーズが戻ったか、順位はどんどん上がり、結局西の5位でプレイオフに進出しました。個人的な予想では、やはりレイカーズの4ピート。フィル・ジャクソンの王朝は崩壊しないと読んでたのですが、2回戦敗退でした。らしさ、が発揮されたかと思ったレギュラーシーズン後半も、結局プレイオフではらしさを取り戻せていなかった事が露呈してしまいました。
その王者レイカーズを打ち破ったのがスパーズ。結局スパーズが優勝に輝いた訳ですが、エースダンカンがすばらしい出来でした。レギュラーシーズンMVPは伊達ではなく、ファイナルでは目をみはる活躍でした。かつてスパーズが優勝した時はまだまだツインタワーの威力による所が大きかったのですが、今年はチームの精神的支柱は別にして、ダンカンが名実共にエースでした。周りのチームメイトも良く、ロビンソンはもちろん、パーカー、ジャクソン、ローズ、ジノビリ、カー、などなど、層の厚い上にチームとしてのまとまりもある。すばらしいチームです。ただ、難を言えばダンカンには派手さが無いので、ファイナルは過去に例を見ない低視聴率だったとか・・・。
最後に我愛するガーネットについて。昨シーズン彼にはアンセルフィッシュすぎるとの批判が相次ぎました。プレイオフ一回戦突破できないのはそのせいだと。たしかに彼はチームプレイに徹しすぎる所はないとは言えないし、そこが魅力の一つでもあるのですが。コービーやアイバーソン、マグレディなどは自ら果敢にドライブしショットを放つ。それが例え外れたとしても、エースのプレイで負けたのなら納得が行き、そうではなくエースがパスして負けてしまえばそれは逃げと取ってしまう、それがファン心理ではあるのでしょう。だが、今年のガーネットはそのような批判を打ち消すかのような獰猛さとアグレッシブさで試合に臨みました。結果は数字に表れています。得点、リバウンド、アシスト、プレイタイムにおいて自己の記録を更新し、NBA
1stチーム、ディフェンシブ1stチームにそれぞれ選出され、シーズンMVPはダンカンと争って2位の投票数を獲得しました。
今年もまた一回戦敗退記録を1つ伸ばしてしまった訳ですが、KGへの批判は聞かれません。彼のプレイは今年もまた向上しましたが、でも勝てない。理由は彼以外の所にあるのではないか、その事実を証明してしまったのでしょうか。さて、来年はガーネットにとってミネソタとの契約最後の年になりますが、シーズンが終って早々とトレードが決まりました。ジョー・スミスとアンソニー・ピーラーを放出して、バックスからサム・キャセールとアービン・ジョンソンを獲得。テレル・ブランドンにそろそろ見切りを付け、キャセールをポイントガードに起用する考えだろうか。とすると、プレイオフでブレイクしたトロイ・ハドソンはピーラーの位置、シューティングガードにあて、攻撃力強化を図る。となるとザービアックはSF?
更にガーネットはPF? 私はザービアックは控えでも良いと思いますが…。肝心要のセンター、ミネソタには是が非でもFAになるラショーと再契約していただきたいと思います。ラショー、ガーネット、ハドソン、この3人にキャセールを加えて、中々のラインナップだと思うんですが。来季は注目ですよ。マーク・ジャクソンがもう少し頑張ってくれれば、私の理想的な形になるんですけど。
追補 : ラショーとジャクソンが去り、クリッパーズからオロワキャンディが、さらにブランドンが去り、ニックスからスプリーウェルが加わりました。一連のウルブスのトレードを見ると、球団の必死さが伝わってきます。ガーネットの引止めのため、是が非でも勝たなければならないということなのでしょう。2003-04シーズンは勝負の年です。
2002-03 NBA シーズン総括とティンバーウルブスの動向 ● ● ● ● ● ● ● ●